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2023.9.14
【沖縄ー鹿児島シーカヤック遠征】
Day 57 最終日
総漕距離 978km
7月20日から始まったシーカヤック遠征
9月14日鹿児島市磯海水浴場にて、
鹿児島のシーカヤッカー達に出迎えられゴールを迎えました。
ゴール後は39度の高熱が出て、
しばらくダウン。
「広い海を自由に漕ぎ周り、人力で島を渡る」
そんなシーカヤック旅に憧れ始まった今回の挑戦。
天気予報と睨めっこしながら、
毎日海のことを考え、リスクとどう向き合うかを試され続けた日々。
島渡りの前には必ず、
その日渡る海がどういう状態になるのかイメージし、
海にどういうラインを描いて進んでいけるのか、
海と自分の能力を照らし合わせながら判断する。
この作業が今回の遠征では1番難しく、
頭を悩ませました。
自分の能力を大きく上回る海に出てしまえば、
人間のパワーなんて自然の前では全く通用せず、簡単に飲み込まれてしまいます。
どういう風が吹いて、どこに流れがあって、
波はどれくらい立つのか。
その日その時、海の状況を予測し、
その海に対して自分はどれくらいのスピードが出せて、
何時間漕ぎ続けられるのか?
どれだけの距離を流されて、
波に飲まれず漕ぎ進められるのか?
そこで確信を持っていけると判断したら出艇。
無理だと思ったら停滞。
その作業の繰り返しで島を一つずつ渡ります。
天気予報も必ず当たるわけではないので、最終的には現場での冷静な対応、判断が必要不可欠。
それでも旅の期間は決まっているので、
毎回ベストタイミングで島を渡れるわけではなく、
荒れた海でも進まないと行けない日も。
「今日のこの海を、今の自分の能力で渡っていけるのか?」
その判断の精度を上げるには、
海のことはもちろん、
自分自身の能力のことも、より深く把握する必要があります。
いつ、どのタイミングで出艇するか…
何度もカヤッカーの先輩に相談しようかと悩みましたが、これは自分自身の旅。
自分の頭で考えて判断しないといけないなと
自分に言い聞かせ、海と、そして自分自身と向き合う日々。
島を渡って行くにつれて、
今回の旅の1番難所で大きな黒潮が流れるトカラ列島の恐ろしさを、島の漁師達からあちこちで聞きました。
「エンジン船が全く進めないほどの流れがあった」
「海に三階建てビル程の波が立ち、大型船がひっくり返った」
「人力じゃ無謀すぎるからトカラはやめておけ」
聞けば聞くほど自分の中でトカラ列島のイメージが膨らんでいき、重圧で押し潰されそうになるほど。
トカラ列島入りする直前の奄美加計呂麻を漕いでいる時は、常に頭の片隅にトカラ列島があり、旅を純粋に楽しめなかった期間でもありました…
それでも幸運なことに、
ベストタイミングでトカラ列島入りする事ができ、
何事もなく難所を越えられました。
トカラ列島のパワーをもう少し体感してみたかったなという気持ちが1%、残り99%は無事安全に抜けられてラッキーだなという気持ちです。
風や潮流に捕まり全くカヤックが進まなかったり、
スコールに降られ数メートル先さえ何も見えなくなったり、
海の上で雷の恐怖に怯え、直撃しないように祈ったり、
船酔いや熱中症、高熱にうなされて、
何でこんなこと始めたんだろうと、
旅が嫌になった瞬間も何度も…笑
雨にも負けて、風にも負けて、夏の暑さにも負けて、自由で快適な旅とはかけ離れてましたが、
自然の厳しさと直面すればする程、
島の人たちの温かいおもてなしが身に沁みました。
旅を振り返ると、
思い浮かぶのは上陸した島々でお世話になった人たち。
どの島でも漁港に上陸したら、漁師の皆さんがすぐに声をかけてくれ、
事情を説明すると呆れながらも面倒をみて頂く日々。
「海の過酷さを知る者同士、助け合いは当たり前だ」
長年海と本気で向き合ってきた海の男の言葉には、重みと凄みがあり、
色んな修羅場をくぐり抜けて来たことが、
その言葉と佇まいだけでわかります。
訪れた島の印象は、島の自然や文化だけでなく、
その土地に暮らす人達にも大きく左右され、
自分が住んでいる島のことが好きで、
島のことを熱く語る姿は、こっちまでその島のことを好きにさせるほど。
そんな島民に出会えるとなんだか嬉しく、
良い出会いだったなと記憶に強く刻まれます。
島を超えて行く毎に少しずつ変化していく自然や文化、
そして人の気質。
カヤック旅だからこそ出逢えた人や、
見られた景色、
感じた想い。
大変なことも多い旅だったけど、
それ以上に得られるものが多く、
カヤックのことが、
海のことがより一層好きになった今回の海旅。
カヤックってこんなに面白いことが出来るんだ。
と少しでも興味を持ってもらえたのなら、
嬉しい限り。
旅ではたくさんもてなして頂いた分、
西表島に戻ったら今度はガイドとして、
僕がおもてなしをする立場。
旅で出会った方々のご来島も心よりお待ちしてます。
今回多くの皆様にお世話になりましたこと、
この場を借りてお礼申し上げます。
皆様のお力添えがあったからこそ、
今回の遠征も無事完遂することが出来ました。
改めてありがとうございました。
ホクレア西表
オーナー 河北 隆星
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